制作事例

社長の一言

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2025年 年末のご挨拶と、2026年に向けた業界の展望

コラム

2025年も残りわずかとなりました。本年も格別のご支援とご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。

今年は世界的に見ても、技術・社会・経済の変化が特に激しい一年でした。原材料価格の変動、国際情勢の不安定化、
物流の目まぐるしい再編、そしてAI・自動化技術の急速な浸透――製造業を取り巻く環境は、例年以上に複雑化したと感じております。

その中で、私たちフィルムスリッター業界も、確かな品質と安定供給が強く求められる存在であり続けました。
食品包装、医療・衛生資材、光学フィルム、電材など、あらゆる分野で「フィルムを適切な幅に仕上げる」という工程は不可欠です。
どれほど世界が変化しても、スリットという仕事の“最後の砦”としての価値は揺らぐことはありません。

2025年は、多くの企業が自動化への一歩を踏み出し、オペレーター育成の重要性が再認識された年でもありました。
同時に、業界全体としては、個々の企業の努力だけでは解決できない課題も浮き彫りとなりました。
例えば――
・業務量に対し人材は不足
・品質基準が会社ごとにバラバラ
・加工賃や条件に大きな幅がある
・技術共有の場が少ない

これらは、どれも“業界としての成熟度”を高めることで改善できるテーマです。

2026年は、業界の「まとまり」をつくる年に

私は2026年を、「フィルムスリッター業界がひとつにまとまり、価値を再定義する年」にしたいと考えています。

スリッター加工は、本来もっと評価されるべき技術です。
しかし現状は、
「縁の下の力持ち」
「誰がやっても同じと思われがち」
「業界全体としての情報発信が弱い」
という構造があります。

そこで2026年は、以下の3つの柱を掲げたいと思います。

① 業界全体の技術基準・安全基準の明確化

② スリッター技術の価値を社会に伝える活動

③ 人材育成と自動化のハイブリッド化

2026年以降は、「経験+データ」「職人技+AI」という新しい形が主流になります。
人と機械が共存する次のフェーズを、業界として推進したい。

最後に

世界はこれからも変化し続けます。しかし、どれほど技術が進化しても、フィルムスリットという仕事は“ものづくりの最後の品質を決める工程”であることに変わりはありません。

2026年、私たち業界がひとつにまとまり、
「価値ある産業」としてさらに評価されるよう、共に前へ進んでいきたいと思います。

本年も大変お世話になりました。
どうぞ良いお年をお迎えください。

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