
社長の一言

フィルムスリッター加工業界に、今こそ“元気”を取り戻そう
コラム
私たちの身の回りにあるフィルム製品――一般包材、食品包装、工業用、電材、光学、医療、建材など、あらゆる分野で使われています。
それらをメーカーが製造し、最終製品として世に送り出す直前に欠かせないのが「スリッター加工」という工程です。
スリッター加工は、製品化の最終段階で行われることが多く、品質管理・検査項目・梱包形態など、すべての基準が最も厳しく求められる工程です。わずかな異常が製品不良やクレームにつながるため、責任の重い仕事です。にもかかわらず、クレームが発生した際には、真っ先に矢面に立たされるのもスリッター業者。まさに「ものづくりの最後の砦」といえる存在です。
しかし現実には、スリッター加工業という職種は世間的な認知が低く、また中小・零細規模の企業が大半を占めています。加工賃は長年据え置かれたままで、設備投資や修繕費すらままならない状況の会社も少なくありません。
「朝から晩まで必死に働くのが当たり前」――そんな働き方が当たり前になってしまい、後継者が育たず、結果として廃業に追い込まれるケースも全国的に増えています。
この悪循環を断ち切るためには、まず私たち自身が**“適正な加工賃”**を意識し、見直していくことが不可欠です。定時の労働時間内でしっかりと利益を出せる体制を整えなければ、この業界の未来は見えません。
スリッター加工は、ただフィルムを切る仕事ではありません。
精度・安定性・品質保証という、製品の価値を決定づける重要な役割を担っています。
だからこそ、業界全体でその価値を正当に評価し、持続可能な経営へと舵を切る時が来ています。
各社それぞれ事情は違いますが、共通する目標はひとつ。
**「この業界にもう一度、元気を取り戻すこと」**です。
もう一度足元を見直し、加工賃、品質基準、経営体制を今の時代に合った形へ――。
未来のスリッター業界を次の世代にしっかりと引き継ぐために、今こそ業界全体で動き出す時ではないでしょうか。
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